ワキガ・多汗症

ワキガの治療

わきの汗が多く臭いも気になる……。こんな症状でお悩みの方には手術をおすすめします。
現在のところ、わきがに対する最も有効な治療は手術しかありません。

当クリニックでは、わきのしわに合わせて1cmほどの切開を入れ、そこから専用の器具を挿入して削り取ってしまいます。この方法は皮膚のダメージを抑えつつ汗腺組織をしっかりと除去することができます。

概 要

手術について

私は病院勤務医時代より多くのわきが手術を行ってきました。
その頃は、皮下剪除法といって、8cmくらいの長さの切開を入れて、皮膚を反転し、皮下のアポクリン腺をハサミで取っていました。
この手術法の問題は皮下に血腫が溜まることが多く、手術時間も2時間ほどと長く、どうしても2週間ほどの入院が必要でした。

20年ほど前からは、1cmほどの切れ目を入れて、そこから、ストライカーといって軟骨などを削る機械を皮下に入れて、アポクリン腺を削るクアドラカット法を行っています。
この方法は血腫ができにくく、また、術後の包帯の処置も工夫を凝らして、できるだけ日常生活をしながら治療が行えるようにしています。
この方法は皮膚のダメージを抑えつつ汗腺組織をしっかりと除去することができます。従来の方法に比べて運動制限も少ないため入院の必要がなく、早期に仕事へ復帰することが可能です。


近年、超音波法や、高周波を使うミラドライなどの方法が開発されましたが、超音波法は不十分なことが多く、再発しやすい方法です。
ミラドライは、軽く当てれば効果が不十分で、強く当てると皮膚が壊死したり、手が痺れる症状が残ります。

これまで、いろいろなわきがの手術法やレーザー治療などを経験してきましたが、私はクアドラカット法が最も良いと考えています。
これまで、10歳の子から70歳を超えた人まで、およそ、1000人の方に手術を受けていただきましたが、安全に効果的に治療ができていると考えています。

術後の注意点について

手術当日について

  術直後に、傷部をスポンジで圧迫し、テープで固定します。

術後の通院について

 ・手術翌日
  スポンジ圧迫を外し、皮膚保護剤に貼り換えます。

 ・手術1週間後
  抜糸を行います。また、皮膚保護剤を貼り換えます。
  以降、術後1か月まで、1週間毎に通院ください。  
  創部の状態を確認し、皮膚保護剤を貼り換えます。

術後の安静について

  手術によって皮膚が剥離している状態ですので、
  安静にすることが大切です。
  できるだけ、わきの安静に心掛け、
  なるべく腕を動かさないようにすると
  手術後の経過が良好です。 

  特に1週間は、以下の動作はお控え下さい。
  ・腕を上げる
  ・重い物を持つ
  ・洗濯物の上げ下ろしをする
  ・お子さんを抱きかかえる

  術後1週間以降は、腕を伸ばすストレッチを
  始めてください。
  このときも“ゆっくりと”動かすようにしてください。
  スポーツは、おおむね1か月からです。
  シャワーは、手術翌日より可能ですが、
  洗髪時もわきの安静を心がけてください。
  浴槽につかる入浴は、術後1週間後の抜糸後
  からが目安ですが、医師の許可が必要です。


多汗症の治療

臭いはあまり気にならないが、わきの汗を減らしたい……。
そんな方もたくさんおられます。
当クリニックでは患者さんのご希望に合わせて、治療を提供しています。

ボツリヌストキシン注射

汗腺を支配する神経の働きをおさえることで、汗の量を減らします。
治療はわきの皮膚に注射するだけですので、非常に簡単で副作用もありません。
効果は半年から一年くらいですので、必要に応じて注射を繰り返すことで、効果を維持できます。
傷あとをまったく残したくない、手術はこわいという方に非常に良い方法です。
当クリニックでは、両側で60単位~100単位を注射します。多い方が効きがよく、長くもちます。

概 要


 
ボツリヌストキシンについて

アメリカでボツリヌストキシンによる副作用例が報告されたという報道がありますが、
米国アラガン社の18年間の症例の追跡調査からボツリヌストキシンによる重篤な副作用があった症例は1例もありません。
カメイクリニックでは安全性を第1としており、米国FDAに認可された唯一のボツリヌストキシンを使っております。
他のクリニックでは安い信頼性に疑問のある ボツリヌストキシンを使っている所もあるようです
ボツリヌストキシンを希望される方は米国アラガン社のボツリヌストキシンかどうか確認して施術されることをおすすめします。

※当院では、厚生労働省承認のボトックスビスタのみ使用します。 安価な未承認薬は一切使用しません。ご安心ください。

 

ワキガ・多汗症についてより詳しく

 ごく簡単に言うと、一般的にアポクリン汗が細菌により分解されることにより臭いが生じ、この臭いが特に強い場合を「ワキガ」といい、エクリン汗の著明な分泌状態を「多汗症」と呼んでいます。
しかし、腋はこれら2種類の汗腺が混在している部位でもあり、実際にワキガと多汗症を明確に分類するのは難しく、ほとんど同義的に扱う場合が多いのです。

 治療にうつる前に診断が大切なのは言うまでもありませんが、臭いや量の感じ方というものは極めて感覚的なもので、非常に主観性の強いものであると言えます。
ですから、自分はワキガなのか?あるいは、自分は多汗症なのか?
それらを正確に客観的に判断することは非常に難しく、言いかえれば、ご自分が気にされるのであれば、それは充分に診察や治療の対象となるのではないかと思います。

重要!

まず、脱毛は医療行為です。
当然ながら医療機関でしか行ってはいけません。

ここからが本題です。
エステで脱毛歴のある方を手術する機会も多いのですが、その場合、皮下に瘢痕がたくさん生じているため、それがスムーズな手術の妨げになるケースがあります。

ワキガや多汗症で悩んでおられる方では、症状の改善を期待して脱毛をされる方も珍しくありません。しかし、それでは解決しないばかりか、医療レーザーによる脱毛ではないために、知らないうちに上記のような瘢痕ができていることがあります。
一見、皮膚表面はキレイでやわらかくても、皮膚の裏側はそうではないのです。
ですから、脱毛も手術も一貫して信頼のおける医療機関で受けられることを強くおすすめします。